バンテージ・ポイント2008年03月29日 14時50分00秒

 アメリカ大統領狙撃とそれに伴う爆弾テロ、その犯人を追うシークレットサービスの闘いをスピーディな展開で見せるアクション映画だ。
 スペイン・サマランカで演説中にアシュトン米大統領が狙撃され、さらに演壇が爆破された。シークレットサービスのバーンズは混乱の中、テレビ中継車で録画をチェックし、驚愕の映像を見つけ、飛び出して行く。サマランカ市警のエンリケはテロ実行犯として拘束されそうになり、市街を逃亡する。アメリカ人旅行者のハワードはビデオカメラを片手にエンリケを追いかけて行く。一方、テロ犯達は更なる驚くべき計画を実行に移すべくある地点に向かっていた...
 この映画の粗筋を書くのは難しい。狙撃と爆弾テロの当事者達8人の視点で同じ事件を何度も見せる手法で描かれていて、視点を変えて事件を見ることで、徐々に真相が明らかになっていく。
 映画の冒頭で米大統領が狙撃されてから、息も吐かせぬ展開となる。90分と言う比較的短い上映時間と相まって、あっという間にエンディングになった、と言う感じである。冗長な部分が無い分、ストーリーを追うだけで精一杯の感があるが、逆に言うと余計な事を考える暇も与えない、と言う事でエンターテイナーとしては、上出来の映画ではないかと思う。
 バーンズ役のデニス・クエイドを最初に見たときに、顎の感じからもしかして、ジャック・ニコルソンの息子?と思ったのを思い出した。全然関係ないんだけどね。^^;
 昔から知ってはいたが、余り、印象に無い。でも、全然記憶に無いのだが「ジョーズ3」の主役だったんだね。後、私の観た映画では「ライトスタッフ」「ドラゴンハート」「オーロラの彼方へ」「オールド・ルーキー」「デイ・アフター・トゥモロー」くらいかな。「ドラゴンハート」辺りから名前を覚えた感じ。「デイ・アフター・トゥモロー」が2004年だから、4年振りに見た事になる。何となくもう少し若い気がしていたけど、今年で53歳になる。メグ・ライアンと結婚していたが、2001年に離婚している。兄のランディ・クエイドも役者である。と言うか、兄の方が古いんだけどね。こちらは、余り記憶に無いが、「インデペンデンス・デイ」の最後の方でエイリアンの母船に戦闘機で突っ込む、飲んだくれのパイロット役は覚えている。
 最初の方しか出てこないが、久し振りにシガニー・ウィーバーが出ている。出演時間は短いが、流石に存在感がある。シガニー・ウィーバーと言えばやはり「エイリアン」シリーズだろう。シリーズ1から4まで主役を張っている。私が彼女の名前を覚えたのもやはりエイリアンからである。そのせいか、どうしても「強い女」という印象がある。今回は、テレビのプロデューサー役だが、誰にも口を挟ませないような、敏腕プロデューサー振りが良い感じである。
 アメリカ人旅行者は、ストーリーから外れた部分での重要な役だが、フォレスト・ウィッテカーがこれも良い感じを出している。私が覚えている最初は「グッドモーニング、ベトナム」だ。「バード」でのチャーリー・パーカー役も指の動きは怪しかったが(^^;)、雰囲気がそっくりだったのを覚えている。後は「バトルフィールド・アース」位かなぁ。「バトルフィールド・アース」では、ジョン・トラボルタが余りにも強烈過ぎて、霞んでしまったが、何となく、いつも汗を流して奮闘している印象がある。太っているせいかな。(苦笑)
 最初の方でも書いたが、8人の視点で描いているので、シーンの切り替えが激しく、かなりのスピード感である。反面、忙し過ぎて疲れてしまう所もある。やはり、緩急があった方が映画を観るにも良いようである。1時間以上緊張のしっぱなしじゃぁね。