007カジノ・ロワイヤル2006年12月01日 14時10分00秒

 007がまだダブル・オーになる前から話は始まる。今までの007とは明らかに一線を画する映画だ。
 ショーン・コネリーやロジャー・ムーア、ピアース・ブロスナンらの007は、一種の超人の様に描かれていて、どちらかというと荒唐無稽な感じがあるが、今回の007は人間として描かれているのだ。
 勿論、危機を脱することは判っているのだが、リアルな危機感がある。それに、今回の拷問シーンは、男としては笑えない拷問だった。最も、全体的にシリアスにストーリーが進んでいくので、笑いを誘うような部分はない。そう言った意味でも、前作までとは違っている。
 まあ、あえて言えば、2代目007 ジョージ・レーゼンビーの「女王陛下の007」と雰囲気が似ているかな。あれも、ちょっと007シリーズの中では別の意味で異色だ。今作同様、秘密兵器も出てこなければ、美女との濡れ場もない。
 今までの路線も好きだが、今回のようなシリアスな007も好きである。次作がちょいと、楽しみになってきた。
 ロード・オブ・ザ・リングやハリー・ポッターみたいに、最近は長尺物の映画も多いが、本作も2時間40分という、かなり長めになっている。しかし、それを感じさせず、一気にエンディングまで観てしまった。ハッピー・エンドではない所も、最近のハリウッド映画の特徴のような気がする。

トゥモロー・ワールド2006年12月01日 19時20分00秒

 事前に殆ど情報を入れずに観たので、ちょっと期待を裏切られた感じだ。近未来に人類が不妊になり、18年振りに妊娠した若い女性をトゥモロー号という船まで送る、と言うのが基本的な筋だ。
 期待を裏切られたと書いたのは、もう少し、娯楽的要素が多いと思っていたからだ。何となく、ユアン・マクレガーの「アイランド」みたいな映画と思っていたのだ。最初から暗い映画だが、最後までその雰囲気は変わらない。
 それにしても、余りにも人が死にすぎる気がする。R-12指定でも良いと思うくらいだ。準主役級の人間が比較的早い時間に死んでしまったり、頭を打ち抜く場面がリアルに描かれていたり、故意かどうか判らないが、銃撃戦の途中で、カメラのレンズに飛散した血と思われる物が付着したり、戦闘が至極リアルに描かれている。
 最初からこんな内容と判っていたら、観なかっただろう。主役のクライヴ・オーウェンをどこかで観たな、と思っていたが、今これを書きながら、「シン・シティ」に出ていたことに気付いた。どうも、この人の出る映画は私の琴線に触れない。
 とは言え、別の見方をすれば、人類に子供が生まれなくなる、という設定を除けば、内戦状態の国のドキュメンタリーを観ているようなリアル感がある。そう言う映画が好きな人には、良いのではないかと思う。

大山レッスン15回目2006年12月23日 15時00分00秒

 昨日、大山さん幹事の忘年会があり、私も大山さんもしたたかに飲んだ。それも、日本酒だったので、午後になっても酒臭い程残っていた。
 とてもレッスンにならないな、と思いながら大山さんの家に行くと、大山さんも同様の状態だった。(^^;
 そうゆう事で、通常のレッスンではなく殆ど話をしていた訳だが、音の響かせ方の話になり、次のようなエピソードを聞いた。
 大山さんがオペラを観に行った時、幕間でクラリネット奏者がリード選びをしていた。その音が会場中に響くのでオケピまで行って覗き込んだ所、近くで聞いた音は「シャバシャバ」だった。しかし、遠ざかれば遠ざかるほど、大きく聞こえた。
 と言うのだ。会場自体そんなに音響がいい所ではなく、むしろ悪いほうに属するらしい。自分を顧みると、バンドでリードアルトを吹いていることもあり、どうしても大きな音を吹いてしまう。しかし、聴き手の場所で聞いたらどうなのか?ちゃんと伝わっていなかったのではないか。興味深い話である。
 近鳴りする音、遠鳴りする音、と言う言葉は学生の時から聞かされていたが、現実にはどうすれば遠鳴りする音になるのか、具体的なことは何も知らずに来た。
 その答えは、どうやら音の響かせ方にあるようだ。前回のレッスン終了後、マッピ(マウスピースの事ね)を変えようか、と言う話になり、今回メイヤーの7番を2本持参した。それと、大山さん所蔵のバンドレン数本を吹き比べた結果、バンドレンの1本が一番良いだろう、と言う事になり、暫くそれを使うことになった。
 早速、響かせ方のレッスンになったが、大きく吹こうとすると、どうしてもオーバーブローしてしまい、音としては使い物にならない。と言っても、どうやらいままではこちらの音だったと言うことか。大山さんによると、5~6割程度の感じで吹いて丁度良い、と言う事だ。ビッグバンドで吹くときも、それで十分で、その音が聞こえないようであれば、周りの音が大きすぎるのだ、と言われた。
 兎に角、その音で「Billie's Bounce」のテーマだけ吹く。今までの癖で、どうしても息でイントネーションを付けてしまう。それを抑えて、音を響かせることだけを考える。
 今までのレッスンとは違い、今回楽器を吹いたのはこれだけだったが、内容としては非常に濃いレッスンであった。